「間人」と書いて何と読む?
これが読める人は相当な蟹通とお見受けします。
もしくは京都府にお住まいの方ですかね?
私は20年程前に情報誌「自遊人」の蟹特集「カニ図鑑」で知りました。
蟹と一口に言っても様々な蟹があって、その中でも一番高級食材と呼ばれる松葉ガニ、
その中でも水揚げされる漁港によって差別化された
「ブランド蟹」というものがあります。
ちなみに「松葉ガニ」は山陰地方における呼称で、
北陸地方では「越前ガニ」と呼び、北海道では「ズワイガニ」と呼びます。
ブランド蟹と呼ばれている蟹が水揚げされるのは主に山陰地方と一部の北陸地方。
北海道では1000円から手に入るズワイ蟹も、山陰地方では3万円を超える松葉蟹に。
そんなブランド蟹の中でも、日本一のブランド力とされ、「幻」とまで言われるのが
京都県の日本海側にある間人港で水揚げされる「間人蟹」です。
間人と書いて「たいざ」と読みます。
ここで水揚げされる間人蟹は現地でも2万円は下りません。
東京の料亭に到着する頃には、5万円以上にもなるとまで言われています。
カンニング竹山さんが、アンジャ渡部さんに紹介されて行った店の蟹が
3人で20万円して驚いたと言われているのが、まさにこの間人蟹です。
ブランド蟹には必ず水揚げされた漁港のタグが付けられます。
この緑色のタグは日本一の間人蟹の証。
当然、私も持ち帰って宝物にしています!?笑
でも、ここで普通の方なら疑問に感じませんか?
同じ日本海で獲れる蟹なんだから、どうしてそんなに水揚げ港で変わるんだ?
各地域の戦略にやられちゃってるだけで、実はそんなに変わらないのではないか?
はい。私も最初はそう思いました。
でも、それは全く違うことを知りました。
まず、カニの良し悪しを決めるのは、漁場。
海底の地形によって蟹の運動量やエサとなるプランクトンの量が変わり、
それによって実入りや味が変わると言われています。
次に鮮度。
蟹は漁船に水揚げされた瞬間から劣化が始り、
一刻も早くに港に運び込まなければ鮮度が落ちると言われているのです。
そして、その最良の漁場から間人港は最短距離にあり、
その上、小さな漁港の間人港は所属する漁船が4隻しかないと言います。
つまり、場所的、時間的な条件から、
間人蟹は非常に高い希少価値が付いているのです。
そんな日本一のブランド蟹を一生に一度は、いつか食べたいと思っておりました。
「ド」が付くほど庶民の私ですが、
そんなこんなで結婚20周年に間人蟹を食べるべく
京都府は間人まで足を運んだわけです。
京都は京都でも「清水の舞台」からでなく「間人の港」から身を投げるつもりで!?笑
身分不相応のセレブなディナーに、入り混じる期待と不安。
そんなド庶民の我々にも宿の方は見事にその魅力を伝えてくれました。
最高な素材に加えて、その素材を最大限楽しめる食べ方を教えて頂きました。
カニ味噌を少しだけつまんで、しゃぶしゃぶの出し汁に入れて飲む、
そんな食べ方は、今回初めて知りました。
出し汁に味噌を入れると、フワッと花のように広がります。
味噌は液体じゃなくて繊維質で出来ているんですね。
これも品質と鮮度が極上だから出来る食べ方なのですかね。
とても美味しかったです。
当然のことながら、「しゃぶしゃぶ」にしても「焼き」にしても
最高に美味しい蟹でした。
あ、当たり前ですよね、ブランド蟹の中でも最高級とされる間人蟹ですものね。
甲羅に穴が開くほど熱燗の甲羅酒を飲んだのは言うまでもありません。
この世の楽園が、間人の冬の夜に存在しました。
さて、いかがですか、最高のブランド蟹「間人蟹」。
一生に一度位は体験してみませんか。
私が舌鼓を打った宿はこちら↓
Takuma@一般道各駅停車の旅
蟹