伝説のモデルを語る「キャンピングカーの名車」シリーズ。
第二弾はLEE EXPORT社の「Outdoor-jr」。
そうです、Takuma二号車のOutdoor-jrです。
「日本の熱帯夜は山でP泊すればいい。だからエアコンは不要。」
ビルダーもオーナーも口を揃えて言い訳(?)してた時代に
異論を投じて家庭用エアコンを搭載してしまった革命児。
それが開発者、LEE EXPORT社の李社長でした。
エアコンは無くて当たり前。
大きな米国のクラスC車であれば、
爆音のするオナン製の発電機と
キャンピングカー専用で高価で機能の低いルーフエアコン、
それがやっと搭載されていたのが、当時の状況でした。
そこに、静かなホンダ製の発電機と
高性能&省電力の日本製の家庭用エアコンを搭載。
「家庭用エアコンは車での使用を想定していない。」
「発電機は環境に悪い。」
「標高の高い山に行けばそもそも済むこと。」
業界に与えた衝撃は、様々な批判や反論ややっかみも生み、
当初は異端児の作るマニアックな車と評されることもありました。
しかし、その後、日本の夏にはエアコンが不可欠という核心に
業界全体が気がつくのに、さほど時間を要しませんでした。
その上、150L超という大容量の水と温水設備、
そして、それを利用する立派なシャワー&トイレルームを持ち、
それなのに、4620mm×1890mmの超ミニマムなサイズ。
さらに、キャンピングカーの宿命の「節電」から解放してくれる発電機は
超消音式の2.8kVAで、自宅の電気設備よりも強力。
キャンピングカーというよりは、完全にミニマムなモーターホームでした。
そんなこともあって、Outdoor-jrは個性的ながら、
全国各地で見かけるほどの人気を博していきました。
明確過ぎるコンセプトもあってか、一度、この車に魅せられた方々は、
なかなか手放さないというのも、この車らしい特徴であります。
元オーナーの私にも、その気持ちが本当によく分かります。
しかし、革命児、李社長のご逝去もあり、この車のブームは儚いものでした。
でも、それだけにこの車には、
「伝説」とか「神話」とかという言葉が似合うような気がします。
現在、国産キャブコンには、家庭用エアコンがほぼ必須のアイテムとなっています。
時代より20年程、先を走っていたのようです、李社長のOutdoor-jrは・・・。
Takuma@一般道各駅停車の旅
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